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なんか、従兄弟の名前と同じ言葉を発しながら、透けるように白い肌をした、ふわふわの羽毛みたいな金髪を揺らした美少年が何故か怒りながら馬を降りた。
『このへなちょこめ!!一人で城を抜け出すとはどういう事だ!!いくら僕にすぐ逢いたかったからとはいえ………ユーリじゃないのか?』
彼は、勢い良くまくし立てながら、近寄ってきたが、近くであたしの顔を見ると、呆けた様な顔を作った。
さっきとのギャップに笑いたくなる。
『お前は何者だ!何故双黒を宿して居るんだ。』
「…なんて言ってるのかわからないよ。」
『なんだ?共通語じゃないのか?僕の言葉が分かるか?』
何か訊いているのは分かるけど、何の事を言ってるのか、さっぱり…
彼もそれを理解したのか、お手上げと言うように肩をすぼめた。
『僕だけじゃ拉致があかない。城に連れていくか。』
彼は何かを呟くと、馬を指差した。
…乗れって事?
『閣下!!やっと追い付きました…』
ありゃりゃ…彼ほどじゃないけど、見目麗しい集団が、それぞれ茶色い馬に乗ってやってきたよ…
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