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「場所は……」
「大丈夫だ
そこの扉で聞き耳を立ててる奴に聞けばいい」
「!?」
「チッ……バレてたか」
そう言って入ってきたのは頭がボサボサで煙草を加えてる30前後の男だった。
「ハガク……先生。
30分も遅刻して何故、盗み聞きをしていたんですか?」
少しだが、怒りが混じっている。
俺はハガクと呼ばれた男をまじまじと見つめる。
あまり隙がない。
「あぁー
えぇーと、学園長が珍しく大声を出したので、つい
まぁ実際は遅刻のことをどやされるのが面倒なだけだが…」
ボソッと最後に何か言っていたが、俺にははっきりと聞こえた。
「それじゃぁ……減給ね」
先生にはきつい言葉だ。
「げっ…マジかよ
なら、どやされるほうが良かった」
また最後にボソッと言っている。
「ところでこいつは誰だ?」
先生と言っていたが、聞き耳を立てていたのだ。聞いといて損はないだろう。
学園長に訪ねたが、ハガクが反応した。
「俺は先生だぞ
こいつよ──」
「この人は、あなたの担任のハガク=デロストよ
それじゃあハガク先生。その子を更衣室につれてってあげてください
その後は教室に」
こいつ呼ばわりされる筋合いはない、とでも言いたかったんだろが学園長によりかき消された。
「かったりーな」
かき消されたことを気にせず、そう言って先に出て行ってた。
俺も行こうとすると呼び止められた。
「隠れたくなったらいつでもきていいですから」
俺は意味が判らなかったが、「あぁ」と返した。
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