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赤き月の下、対峙している者が二人いる。
一人は黒いコートにフードで顔を隠している者。
もう一人は傷だらけの魔族。
先に口を開いたのは魔族だった。
「貴様……もしや鮮血の死神か?」
「だったら?」
フードの中から感情の籠もっていない声で返ってきた。
「そう……か
なら我が負けたのも分かる」
魔族は納得したように呟いた。
「もう言うことは無いな
消えてもらう
シャイニングセイバー」
詠唱破棄した魔法は空から光の束を降らせ、魔族を跡形もなく貫いた。
それは光で創られていない光
それは破壊しか生まない光
故に血の雨を降らせる光
「………」
鮮血の死神と呼ばれた者はさっきまで魔族が居たところを見て佇んでいる。
赤き月の下、佇んでいる者が一人居る。
その者の周りは朱き水で創られた水溜まりしか無かった………。
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