『災いの子』

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  幹に凭れていた身体を起こして、枝に座り直し下方へ視線を落とす。 そこにはよく見知った桃色が存在した。 「何だ、ミユかぁ。どうした?」 「どうした?‥じゃないよ!捜したんだからね!」 ソイルと呼ばれた少年が欠伸を洩らしながら話しかけると、桃色ことミユと呼ばれた少女は眉を吊り上げて怒鳴り返してきた。 …どうやらかなりご立腹の様子…。 折角の可愛い顔も台無しだ。 「それからわたしは“ミユ”じゃなくて“ミィユ”!!何度言ったら解るのよ!」 …訂正。少女の名はミユではなくミィユらしい。 ミィユが怒っているのにも関わらず、ソイルはへらりと笑った。 「いいじゃん、ミユで。“ミィユ”ってなんか長いしさ。」 「良くないし、長くもないよ!」 「そんなケチぃこと言うなよな~…」 「ソイルだけだよ?私の名前ミユって呼んでるの。他のみんなちゃんと呼んでくれるのに…。」  
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