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ビーリアルは、いつも孤独でした。
誰もがビーリアルの存在を認めず、話さえ聞いてもらえませんでした。
神様もまた、ビーリアルの存在を認めていなかったのです。
ある日、悪戯をした悪魔が神様に叱られているのをビーリアルは見ました。
それからというもの、ビーリアルは悪戯を繰り返しました。
ある天使の羽根をむしったり、ある悪魔の翼を爪で傷付けたりしました。
神様に叱られることを期待していたのです。
『叱られる』ということは、ビーリアルにとって『存在を認めてもらえる』という最後の望みでした。
しかし、神様はビーリアルを叱ることなく、天使や悪魔を慰めるだけでした。
ビーリアルはずっと悪戯を続けました。
いつか、存在を認めてもらえると信じて……。
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