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龍希は不適に微笑み
龍夜は苦々しい表情を浮かべる
「やはりお前はあの時に消しておくべきだったな」
「………………」
「まあ、今からでも遅くはないがな………」
龍希は無言で身構える
「邪魔をするのなら容赦はしない、たとえそれがお前であっても、だ」
「……兄さん」
「やめろっ!お前との繋がりはあの日に捨てたはずだ!もう俺はお前の兄じゃない!」
怒号と共に龍夜が動いた
「くっ!?」
咄嗟に身を屈めた龍希の
前髪がパラパラと宙に舞う
「どうした!やっぱりお前は口だけか!?」
龍希はかわすことしかしない
「俺を止めてみろよ!その為に来たんだろ!?」
龍夜に手加減は無い……
自分の目的を阻む者は
「消すっ!」
例えそれがたった一人の
弟とだとしても
「がはっ!」
龍夜の放った回し蹴りが
龍希の脇腹を捉える
錐揉み回転をしながら
吹き飛んだ龍希の体は
フェンスにぶつかって止まった
「許せ、龍希………」
哀れみを含んだ目で
龍希を見下ろす龍夜
「全てあいつの為なんだ………」
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