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『誰か子猫達を助けて。』
女の子が叫ぶ。
振り返ると大きいトラック。
もう死んじゃうのかな?
二ヶ月前に生まれたばっかりなのに・・・
まだ恋もしてないよ?このままじゃ嫌。
キィー
車の急ブレーキの音。
さよなら。この住んでた街。さよなら。私の青春
私たちはふわりと宙に浮いたんだ。
えっ・・?何この高さ?温かいぬくもりは何?
ここが誰かが言う天国?
いい匂い。
『もうダメじゃない。道の真ん中に飛び出しちゃ』
『お兄ちゃんありがとう。』
さっきの女の子の声。
そう言えばそんなに痛くない。
『大丈夫かぁ?手から血が出てるな。』
そう言いながら素早くお兄ちゃんがハンカチを巻いてくれた。
その時嬉しくて、お兄ちゃんの唇をペロリと舐めちゃった。愛しい証に・・・
隣のミィもお兄ちゃんの事気に入ったみたい。
『おいおい!やめろよ』と照れながら言うお兄ちゃんが可愛くて仕方なかった。
『もう、気をつけろよ』
と言ってお兄ちゃんは去って行った。
もう会えないの?
人間に恋をした私。
この後どうなるんだろう?
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