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「本当に奢ってくれるんですか? ふぇぇ……太っ腹です」
列に並びながら、目をキラキラ輝かせて言うキィナちゃん。
これはもう惚れたな、間違いない。
「ああ、任せろ。俺はミスターリッチメンだ。遠慮せずに好きなのを頼め」
そう、俺はこの夏に彼女を作るために、必死で日雇いのバイトをして金を貯めたのだ。
現在所持金は三万。
この財力で、女をイチコロにしてやんよ、うははははっ!
「じゃ、じゃあ『デラックスゴージャスパフェ』頼んじゃおっかな……」
「ああ、デラックスでもエクセレントでもエクササイズでも好きなのを頼め!」
「ほ、本当ですかっ!? ありがとうございますっ! ずっと憧れてたんです」
ふふふ、たかがパフェ一つでこんなに喜んでくれちゃって……。
こりゃ今夜には合体OKかな?
「……ほんまにええんか? デラックスゴージャスパフェ、一つ3000円やで?」
――ピキッ!!
……なんですと?
空気が凍りました。
てか、なんだよ3000円て! 一個でバイト代の十分の一持って行くんか!
どこのコース料理だよマジで!
しかもキィナちゃんにこれ頼んだら、キャティちゃんにも頼まざるを得ない。
そうなると6000円……。
夏休み一日目にして、一気に資金が五分の一も削られる!
うはあこれはだめだはやくなんとかしないと……
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