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「あ……た、達也さん。ごめんなさい、やっぱりいいです。弱小スモールパフェでお願いします」
ダラダラと汗を流す俺に、キィナちゃんが心配そうな視線を向けてくる。
「キィナ、少しは遠慮せなあかんやろ」
「……はい。ごめんなさい、調子乗っちゃって……」
……なんだよこの状況。
キィナちゃんは、俺が何でもOKだって言うから頼んだだけなのに、なんで謝ってんだよ。
ダメだろ、これは。男としてダメだろ!
女の子に恥をかかせちゃダメだろ!
「いや、大丈夫だ。せっかくだからみんなでそれ食べよう!」
俺は平静を装って、言葉を返した。
「はう、無理しないでいいですよっ。さっき、かなりダメな顔してましたよ」
……ダメな顔は酷くない?
「いや、さっきはアレだよ。アレ。プリキュ○。プ○キュアを見逃してしまったのを思い出してしまってね。少し絶望してしまったんだ。でも、いいさ。今日は弾けるレモンの香りの代わりに、君たちから漂う芳醇な香りを楽しむよ」
よし、見事な機転だ。
さすが俺!
何か二人の仕草が、多少引いてる感じに見えるが気のせいだろう。
俺のバイト代、30000円。
パフェ一つ、3000円。
彼女達の笑顔、プライスレス。
アドレス、プライスレス!
ホテルでご休憩、3000円。
そこでの行為、プライスレス、プライスレス、プライスレス!!
ふはは! 3000円がなんだ!!
そう、今夜俺は大人になる!
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