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「アンタはほんまに、ウチらの知り合いの誰かさんにそっくりやな……」
キャティちゃんが溜め息を吐きながら言う。
俺にそっくりとは相当イケメンに違いない。
うむ。これは強力なライバルになりそうだ。
「まあ、お互い名前も知ってるわけですし、改まった自己紹介もアレですよね。とりあえず、乾杯しましょう」
と言いながら、お冷やを掲げるキィナちゃん。
え。これで乾杯するの?
水じゃん。超水じゃん。
しかし当のキィナちゃんは、目をキラキラさせながら俺達を待っている。
ぐはあっ! こんな天然ぶりもまたまたソーキュート!
やりましょう!
水でも麦茶でもハンバーグソースででも乾杯してやりましょう!
「ようし、じゃあ俺達の出会いを祝って、乾杯~♪」
「乾杯~♪」
「あ、か、乾杯!」
出遅れていたキャティちゃんも慌ててコップを持ってグラスを合わせる。
ガラスのぶつかる音が、混雑した店内に響いた。
「知ってるか? 乾杯したら飲み干すのがルールなんだぜ?」
「ふぇぇっ!? そうだったんですか!? が、頑張ります!」
そう言って、グビグビと水を飲み干すキィナちゃん。
ちなみに俺とキャティちゃんは既に飲み終えている。
グビグビグビグビ
ガリガリガリガリ
……ガリガリ?
「キ、キィナ! 氷まで食べんでもええねんで!?」
「ふぇっ!? ふぇぇ、頭痛いですぅ……」
あらやだ。
この子、氷まで食べ尽くして頭痛くしちゃってるわ。
ああもう可愛いなああああ!
「キャティちゃん。このつるぺた少女、テイクアウトで!」
「あかんに決まっとるやろ!」
ええ~。可愛いのにぃ。
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