覚醒する上条達也と、懸念する上条美雨

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  セミの鳴き声、差し込む日差し、扇風機など役に立たないうだるような暑さ。 ああ、今日も俺に朝が来る。 彼女の居ないこの俺に……。 「っだああああああ! 彼女欲しいぞぉぉぉい!」 「うるさいよお兄ちゃん!!」 バタンッと部屋のドアが開き、短めの茶色い寝癖頭が叫ぶ。 俺の、毎朝恒例ソウルシャウトの儀式を邪魔するために現れた妹だ。 全く、空気の読めない女は困るね。 「美雨(みう)!! 勝手に部屋に入って来るなって言っただろ! 男には色々事情が……」 「はあ? ばっかじゃないの!? 休みだってのに朝からお兄ちゃんの声で起こされて、たまんないよ!」 ああ、朝からキンキンと甲高い声を出しおって……寝起きの頭に響くわ。 しかも、なんだその格好は。 いくら暑いからって上だけパジャマを着て、下はショーツのみってのはどうだろう。 しかも、上のパジャマもボタンが大きくはだけて、その膨らみかけた胸が僅かに覗いているじゃないか。 この分じゃ上は下着を着けてないな? ったく、羞恥心の無い妹を持って、兄として胸が痛むぞ。  
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