覚醒する上条達也と、懸念する上条美雨

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  「ともかく、美雨よ! 今日から夏休みだ! 是非、俺の夏休みの目標を聞いてくれ!」 「……どうせ、彼女を作る事でしょ?」 ――ドッキーン! 「な、なぜ分かった!?」 まさかの名推理に驚愕する俺に、美雨がため息混じりに言い放つ。 「それ、毎年言ってんじゃん。しかもいつも空回り! 去年は『桃太郎がいるなら桃子ちゃんもいると思うんだ』とか意味わからない事言って夏休み中ずっと川を眺めてたし、一昨年は『あかずきんちゃんを探してくる』とかトチ狂った事言ってオオカミの着ぐるみ被って森へ行って通報されてたし……。もういい加減恥ずかしい真似はやめてよね!」 くそ……美雨め。 俺の武勇伝を『恥ずかしい』等という不愉快な形容詞でくくりおって……。 確かに巷では『紅葉町の変態ドリーマー・上条達也(かみじょうたつや)』等と不名誉な二つ名で呼ばれているみたいだが、本当に心外だ。 俺はただ自分の道を真っ直ぐ歩んでいるだけなのに。 ――だが! 「ククク! 美雨よ、だが今回は違うぜ。俺は今からナンパに行ってくる。分かるか!? あのイケメンしか成功しないという伝説の大技、ナンパに行くんだぜ!」 「ナ、ナンダッテ――ッ!?」 美雨がのけ反って驚愕の声を上げた。  
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