105人が本棚に入れています
本棚に追加
クリスタルではキャスト(ホステス)の在籍が約60人いるその60人のキャストをサブマネージャーから店長までで担当という形でそれぞれ振り分けられている。
役職が上になるにつれ担当の人数も増えていく。
日明の担当は8人、その中に24歳になる『あきら』というキャストがいる。
今日は仕事が終わってから、あきらに呼び出されていた。
「仕事終わったら連絡してよ!」
昨日から約束させられていたのだが、店が終わる頃、あきらの方から再度念押しされていた。
店が抜けれるようになった日明は、呼び出された『康琉』という個室のある居酒屋へ向かった。
クリスタルから歩いてすぐの康琉の扉を開けた。
「いっらっしゃいませ!」
もう朝方になるというのに元気な声で康琉のフロントに出迎えられた。
「秋月といいますが、あきらという女の子が一人で来てると思うんだけど?」
「少々お待ちいだだけますか~」
元気のいいフロントは、予約帳のような物を調べだし、すぐに応対してきた。
「あきらさんですね!お二人でお待ちになってますよ!」
『二人…?』
日明は少し気になったが、とくに店員にも聞かず部屋へと案内された。
「ゴメン!待たせたね!」ふすまを開けた日明の目に入ったのは見知らぬ女性、いや女性というよりは、
『女の子』
があきらの横に緊張した面持ちで座っていた。
「お疲れ様!びっくりした?紹介するね、妹の亜美(あみ)!」
「どうも…秋月です、お姉さんにはいつもお世話になっています。」
日明も突然でびっくりしたが、少しでも妹『亜美(あみ)』の緊張をほぐすために、冗談めかしく自己紹介した。
「初めまして、亜美です」
少し緊張がほぐれたのか可愛らしい笑顔で亜美は挨拶してきた。
スラッとモデル体形で大人っぽいあきらに対して、亜美はあきらよりは背は低い、だが、亜美の方もあきらに負けない良いスタイルをしてる、それより何より、日明の胸をうたれたのは、嘘のない透き通った可愛らしい亜美の笑顔だった。
「アキちゃん実はね、亜美もクリスタルで働けないかと思って…」
あきらは俺のことをアキちゃんと呼ぶ、秋月のアキちゃんか日明のアキちゃんかどっちかはわからんが…
亜美は18歳今年高校を卒業したばかりだ、あきらも亜美も北海道出身であった、あきらは西新宿にマンションで一人暮らしだ、亜美と一緒に暮らして、同じクリスタルで働きたいらしいのだ。
最初のコメントを投稿しよう!