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ある晴れた日、私がぼんやりとしながらベンチに座っていると、後ろから抱き締めてくれて、寄り添うように私の隣に居てくれた。 春の陽気に誘われて、二人でお昼寝したりもした。 そんな事を思ってたら涙が溢れて来た。 私の涙は雨と混じり、思い出と共に土に染み込む。 私も後少ししたら土に還るんだな… でも、貴方には知られたくなかった。 だからさよならを告げた。 貴方をこれ以上悲しませたくなかったから。 貴方は振り向き、歩いて行ったよね? その日も、ちょうどこんな雨だったっけ… 本当は追いかけたい。 どんどん見えなくなって行く。 そして見えなくなって、私は泣いた。 後悔はしていない。 貴方に幸せになって欲しいもの。 でも、貴方は泣いてくれていた。 貴方の背中は泣いていた。 私の為に…
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