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下諏訪――。
シンジはそこで列車を降りた。随分と遠くに来たようだ。
シンジは駅舎を離れ、目指す先を探した。一応日帰りで入れる所を探して置いたのだった。
目的の場所はホテルだった。湖沿いに大きなビルが建っていた。茶色く染められたその巨体に、シンジは何だか威圧感を感じた。
そのビルに入ると入り口で着物を着た若い女が接客をしているフロントが見えた。そこに向かえば良いのだ。
「大人一人、日帰りで」
シンジはそう告げた。代金を払い、大浴場への道を教わる。このビルを真正面から突っ切った所に大浴場が有るそうだ。
シンジは勿論着替えやタオルの類は持って来ていた。それ等を抱えると、早速温泉に浸かりに向かった。
脱衣所の状態を見る限り、かなり繁盛しているようだった。使われている籠が沢山見られた。
シンジも服を全て脱ぎ、ハンドタオルを一枚持って大浴場へ向かった。先ずシャワーを浴び身体の垢を落とす。それを終えると内風呂を無視し露天風呂へ向かった。
諏訪湖が一望出来る大きな岩風呂が出迎えてくれた。シンジは頭にハンドタオルと畳んで乗っけるとその中へと入って行った。よぼよぼの老人から幼稚園児くらいの子どもまで年齢バラバラの男達が五名既に入っていた。
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