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突然聞こえたリヴの怒号とその声色から、普段の冗談などではないことがわかる。 「どうしたんだいリヴ?」 「どーしたもクソもねぇ!囲まれてんだよ!」 「!!」 ファズが驚愕と焦りの混じった表情を浮かべ、ジャギはキャスター付きの椅子に乗ったまま床を蹴り、操作パネルまで移動する。 「スクリーンにまわして」 「了解しました」 一瞬の後にスクリーンに外の様子が映し出された。 なるほど、囲まれた。 VREのロゴの入った小型偵察機がヒュンヒュン音を立てて飛んでいる。           カラス NCR.073型、通称「レイヴン」 小型ですばしっこい上に飛行音は静か、ステルス機能も搭載している。高性能AIによる的確な状況判断が可能で、内蔵された高感度カメラで撮影された映像はリアルタイムで本社に送られる。 「1…2…3機か…面倒だな…」 「おい待てよ……こいつはなんだ!?」 スクリーンを見たリヴが叫ぶ。 「…相手は本気みたいだね」 「なに呑気なこといってんだよジャギ!?逃げるぞ!!」  
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