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「……あははっ!面白い冗談だね」
私は顔を上げることが出来ない。
慶太も冗談では無いことを感じ取ったのか、押し黙る。
「……僕が嫌いになったの?」
……違う
「嫌な所があるなら言って!直すから!」
…違う
「僕には……明日香がいないと…」
「違う!!」
最後まで言わせずに抱き締めていた。
慶太も肩の上から包むように抱き締めてくれた。
「違うの……慶太は何も悪くない」
その意外と大きな胸の中。
私は少し、素直になれた。
「私が……私が悪いの。
だから、お願い。自分を責めないで」
優しすぎる言葉が私を苦しめる。
でも、それが慶太。
きっと、私よりも可愛くて素敵な子が現れる。
だって……私が惚れた男なんだから。
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