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薄闇の中……。
あたしは、抱かれてる。
幼馴染みの腕の中で―…。
好きなんかじゃない。
勿論、愛してもいない。
でもあたしは、大人しく抱かれ続ける……。
あたしが愛しているのは―…。
目を閉じれば、優しく微笑む、愛しい人。
流(リュウ)――。
そしてあたしは、夢を見る。
大好きな流に、抱かれている夢を……。
「愛してる……」
―――…
「よかったよ、渚(ナギサ)」
そう言いながら、服を着始める幼馴染みの慶也(ケイヤ)。
「そ……ならよかった」
あたしも、冷静なふりをしてそう答え、服を着る……。
あたしと慶也は、表向きには幼馴染み。
裏では、俗に言うセフレ。
慶也に迫ったのは、あたしだった。
慶也なら、流を忘れさせてくれると、思っていたから……。
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