腕の中で

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「っ……」 外に出た途端に、涙が溢れて来た……。 涙のせいで、余計に化粧がぼろぼろになる。 安物のマスカラは、大変な事になっている……。 でも、そんな事に構っていられなかった。 溢れ出る涙を抑える事なく、あたしは泣いた……。 流に……会いたい。 どこに行ってしまったのだろうか……。 ううん……。 流はここに居る。 あたしは、自分で自分を抱き締める。 流と同じ血が通う、この身体を―…。 ……もうすぐ、10月18日。 あたしと流の、誕生日。  
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