広島

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帰島 原爆の爆風はエノラ・ゲイにも襲い掛かった。エノラ・ゲイはひどく揺さぶられ、ティベッツは日本軍の高射砲による対空射撃と勘違いして「高射砲だ!」と叫び、フィアビーも「くそ! 撃ってきたぞ!」と叫んだ。しかし間もなく核爆発の衝撃波であると気付いた。 午後2時58分、エノラ・ゲイ号は快晴のテニアン島の北飛行場に帰還した。12人の搭乗員は出迎えた数百人の将兵らに祝福された。戦略空軍総司令官カール・スパーツ少将から、ティベッツ大佐には栄誉十字章が、他の12人には銀星章が与えられた。その日は夕方から、第509混成部隊の将兵や科学者らによって、深夜まで盛大な祝賀パーティが催された。 原爆投下時、撮影機はカラーフィルムで撮影していたが、テニアン島に帰還後、現像に失敗したためにその記録は失われた。そのため、爆発から約3分後に別機の科学調査リーダー、ハロルド・アグニューにより8mmカメラによって撮影されたキノコ雲の映像が、世界初の都市への原爆投下を捕らえた唯一の映像となっている。
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