過去の若者

2/8
前へ
/28ページ
次へ
戦後60年以上たち、戦争を語れる人がだんだん居なくなってきてしまいました。私は一時期戦争について勉強をしたことがあります。その中でも印象に残ったのがやはり 神風特攻隊でした。国のため 家族のため  自ら 志願していった若者達。 志願しざらずにはいられない 辞退はできないのが 現実だったみたいだが、もし今俺がやれと言われても絶対にできるわけが無い。飛行機に爆弾をかかえ 片道のガソリン。。 20歳にして 飛んだ方の遺書です。 謹啓 御両親様には 相変わらず御壮健にて御暮しのことと拝察致します 小生もいらい至極元気にて軍務に精励いたしております  今までの御無沙汰致したことをお詫び致します 本日をもって私もふたたび特攻隊員に編成され出撃致します 出撃の寸前の暇をみて一筆走らせています  この世に生をうけていらい十有余年の間の御礼を申し上げます  沖縄の敵空母にみごと体当りし 君恩に報ずる覚悟であります 男子の本懐これにすぎるものが他にありましょうか 護国の花と立派に散華致します 私は二十歳をもって君子身命をささげます  お父さん、お母さん泣かないで 決して泣いてはいやです ほめてやって下さい  家内そろって何時までもいつまでも御幸福に暮して下さい 生前の御礼を申上げます  私の小使いが少しありますから他人に頼んで御送り致します 何かの足しにでもして下さい 近所の人々、親族、知人に、小学校時代の先生によろしく、妹にも..  後はお願い致します では靖国へまいります   四月六日午前十一時記す 昭和20年4月7日 松尾 巧 享年20才
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

195人が本棚に入れています
本棚に追加