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「それじゃあ――遠慮なくいくぜ。まずは、その英雄さんからだ!!」
「後藤、お前も遠慮なんていらねぇぞ!」
「秀二……。手加減する気なんてサラサラねぇよ!!」
後藤は傑の頭を掴み、動けないように固定した。
「ちょ―――ご、ごと――やめ―――あぶふぉ!!」
ボールは傑の顔面に直撃。
傑という使い捨て盾を使って、Dクラスの攻撃を防ぐことに成功した。しかも、顔面にヒットはセーフなので、もう一度盾としての使用が可能だ。
傑の活躍で手に入れたボールを相手にぶつける。こうやって、一人の犠牲で少しずつ敵の戦力を削いでいくのが秀二たちの作戦だ。
「ちょ―――き、きつい」
「ワカメ危ない!しゃがめ!!」
傑は秀二に言われた通りに身を低くし、ボールをやり過ごそうとした。
だが、ちょうどしゃがんだ目の高さにボールが飛んできて―――
「ひっ―――おぐっ!!」
また傑の顔面にクリティカルヒット。
傑はとても扱いやすく便利な使い捨て装甲板となった。
このような無茶苦茶なプレイを繰り返す。
徐々にDクラスの人数を削る。
傑は最後まで盾として役に立ってくれたおかげで、Dクラスに見事勝利した。
傑がこんなにみんなの役に立ったのはきっと初めてだろう。
活躍の場を与えた俺には感謝すべきだろうな、と秀二は誇らしげだった。
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