31人が本棚に入れています
本棚に追加
「何楽しそうなことしてるの?私も混ぜなさいよ!」
ボロボロになった傑の顔を見て、悔しそうに怒る凛。
気絶した傑を保健室に連れていく最中だった。
「楽しかったなぁ秀二♪」
後藤は凄くイキイキとした顔で秀二を見る。当の本人は疲れたと言わんばかりの表情だった。
「指示出すのも面倒なんだぜ?相手の動きの予測、ボールを投げる威力。俺たちの運動能力とか、全部計算しないといけないからな」
「―――秀二そんなに難しいこと考えてたのか?」
「あぁ、そうじゃないとあの結果にはならないからな。まぁ、口喧嘩は誤算だったけどね」
秀二は苦笑して軽く流そうとしていたが、凛と後藤は驚いていた。以前の秀二はそんなに細かいことは考えようとしなかった。きっと「だやい」と言って終わらせるだろう。
やはり、何かが、違う……。
何が違うのかは分からない。けれども、この違和感…。彼は"秀二であって秀二でない"そんな気がした。
最初のコメントを投稿しよう!