秀二と秀二の相違点

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「何楽しそうなことしてるの?私も混ぜなさいよ!」 ボロボロになった傑の顔を見て、悔しそうに怒る凛。 気絶した傑を保健室に連れていく最中だった。 「楽しかったなぁ秀二♪」 後藤は凄くイキイキとした顔で秀二を見る。当の本人は疲れたと言わんばかりの表情だった。 「指示出すのも面倒なんだぜ?相手の動きの予測、ボールを投げる威力。俺たちの運動能力とか、全部計算しないといけないからな」 「―――秀二そんなに難しいこと考えてたのか?」 「あぁ、そうじゃないとあの結果にはならないからな。まぁ、口喧嘩は誤算だったけどね」 秀二は苦笑して軽く流そうとしていたが、凛と後藤は驚いていた。以前の秀二はそんなに細かいことは考えようとしなかった。きっと「だやい」と言って終わらせるだろう。 やはり、何かが、違う……。 何が違うのかは分からない。けれども、この違和感…。彼は"秀二であって秀二でない"そんな気がした。
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