世界に穿つ、ただ一つだけの祈り方

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ニュースが報道されてから、さかのぼること十時間前―― 日本某所 とある会議室 『――皆も知っていると思うが、三神が死んだ』 『飼い犬に手を噛まれるとは躾がなってないねぇ』 『あれに躾という概念があるのでしょうか?何を言っても無駄でしょう』 『――では、これに対しての処置はどうする?』 『現状維持でいいんじゃないですか?もともと三神は消すつもりでしたし、計画が少し早まったと考えればいいじゃないですか』 『では三神の部下はどうする?やつほどではないが、それなりに知識は持っているが』 『ふむ……。三神の死に恐れて、どこかに逃げる可能性もあるな。今のうちに――』 『いや、三神が死んだ今、誰があれの調整をするのだ?消すのは全てが終わってからでもいいだろう』 『"全てが終わってから"ねぇ…。全てが終わったら僕たちだって――いや、世界中の人が消えていますよ』 『――そう、だったな』 『では、この件に関しては現状維持で決まりだ。皆、ご苦労だった』
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