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説明を終え、外に出て、敵陣のあるほうへと目を向ける。そこには大型のトラックが数台停車していた。
何をしているのか詳しくはわからないが、ミサイルや弾薬、食料や薬などの補給物資を運び込んでいるのだろう。
「これはチャンスだね」
今なら物資の運び出しでごたごたしているだろうし、そのせいで満足に動けないだろう。
暗かった道に、光が差し込んだように霞には思えた。
絶好の好機。
これを逃しては疲れきっている我らは敵に勝つことは出来ないだろう。
「計画予定時間を早め、三時間後には事を起こします。急いで準備して下さい」
「はっ!」
皆が準備をしている間、自分もやることをやってしまおう。
そう霞は考え、自分用のテントに入り込み、背負ってきたリュックをがさがさと漁る。
中からいくつかのパーツを取り出し、地面に丁寧に並べていく。
この光景を見たら、お店でもやるのではないかと思うほどの種類と数。
形やサイズは様々で、ピンからキリまでなんでもそろっているように思える。
「今回はどの属性で突っ込もうかなぁ……」
顎に左手を当て、右手でどれにしようかなー、と部品ひとつひとつに指をさしていく。
悩んだ末に選んだのは、霞の腕ほどもある長い銃身だった。
「ちょうどいい機会だし、試してみようかな」
そう言って、銃身をペロッ、っと舐め、
「怖がらなくていいよ。さぁ、俺の胃(なか)へお入り」
身体の中へと消えていった。
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