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トントン。
「失礼しま~す。『chaos』さん、間も無く本番です。スタジオに入ってください。」
無駄に強い圧迫感のある空気を打ち払ったのは、楽屋に入ってきた番組スタッフだった。
『chaos』の三人は、ほおぉっと息を吐いた。
なんか……た、助かったあぁ。
微妙な空気を感じ取ったのか、笑顔を張り付かせたスタッフの顔が若干引きつった。
「あら、もうそんな時間?」
今までの圧迫感は……と思うほど、ケロッとしている魔王。
こほん。
京子おばさんは、似合わない古びた腕時計を見ながら雄叫びを上げた。
「よっしゃあぁぁ!!
いくわよ、野郎共!!」
熱く拳を握ってガッツポーズをキメた。
「「「…………はい。」」」
恥ずかしいからやめてくれ~っ!!
いくら気合い入ってるからって、キャラ崩れてんぞ。
「はい。行きましょう、社長。」
嬉しそうににっこりと微笑む晋也さん。
相変わらず謎な人だな………………でも、受け入れてんだからカッコいいよなっ!!
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