俺と一緒に歌いませんか?  〈3〉

9/24
前へ
/160ページ
次へ
「リュ~ウ。こっちだよ~。」 大御所とか名の通ったアイドルとか、スタジオで今日の出演者が座っている雛段。 そこから、ブリッ子全開でこっちに手を振るイタイ子一名。 まあ、予想はつくが、一応そっちの方をみてみる。 うげっ、愛理。 でっかい声で呼ぶなよな。 作ってる性格は……もう、いいや。 「愛理……。」 恥ずかしいヤツ!! 雛段の一番上、あんまりテレビには映りにくい「新人席」。 愛理の座っているすぐ隣りに座った。 「おまえ、大人しく座ってろよ。」 ぼそぼそと愛理に話しかける。 「いいじゃん、べつに。 ここの空気は息が詰まるんだもん。 全く。 新人のぺーぺーをライバル視してんじゃねぇわよって感じじゃない?。」 かなり苛々が溜まっているご様子。 つか、いくら苛ついてても、そこまで言わなくてもさ~。 「愛理に同感。」 愛理の向こうから、聖が口を挟む。 なんだ、いたのか。  
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16156人が本棚に入れています
本棚に追加