a mysterious vocalist

俺と一緒に歌いませんか？ 〈３〉

つまり新人席は、正面左から『Top's』、愛理、『chaos』って席順だ。

５段ある雛段はまだまだ空席が多く、埋まってんのは一番上、つまり俺たち新人席だけだ。

ま、当然だよな。

聖が続ける。

「楽屋に挨拶回りしてきたときも、針の筵だったしな。」

「あ、私のときも。」

「そういえばそうだった………………かな。」

俺の言葉が気に触ったみたいだ。
なんか、愛理と聖の視線がすっげぇ痛いんですけど。

「リュウって鈍感だよな。」

「ホントホント。そんなんじゃ、女の子にモテないよ。」

お～い。
人のことおちょくんのも大概にしろよ、テメェら。