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「京子オバサン!!」
「黙れ、クソガキャア!!」
俺のナイスなリアクションに、京子オバサンは、更に上をいくナイスなツッコミを返してきた。
な、なんでここに………………。
「社長がスタジオまでくるなんて珍しいね。」
隣りに座るヨースケも驚いている。
そりゃそうだ。
いつも事務所でどっかりと偉そうに反り返って……いやいや。事務所でお仕事をなさっている……ハズ。
それがスタジオに……現場に来るなんて初めてじゃねぇのか。
「まあ、今回はいつもより大掛かりな撮影だし……。」
その向こうでタケルが首を捻り……そして、何かに気付いたようにはっとして京子オバサンを見た。
「そうか、今日は……。」
普段とは違う険しい顔で、タケルは京子オバサンを見つめた。
「どうしたの?。」
ヨースケは不思議そうにタケルに尋ねた。
「葉介。」
タケルがぼそぼそとヨースケに耳打ちする。
すると、ヨースケの表情がみるみるうちに険しくなっていった。
「ヨースケ?」
「なんでもないよ、リュウ。」
そう言って笑うヨースケの顔は、なんだか今まで見た表情のどれとも異なり、どことなく大人びた笑顔だった。
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