俺と一緒に歌いませんか?  〈3〉

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「優さん、スタジオ入りま~す。」 優しげな笑みを浮かべ、スタッフに挨拶を返しながら優が入ってきた。 と。 「あら、優。」 先にスタジオに入っていた京子が、優に会釈した。 その瞬間。 「っ!!」 優の表情が激変した。 瞳をこれでもかというほど見開き、愕然と京子を見ていた。 京子を見ていた優。 その優の右腕が、びくっと震えた。 すっと、京子と優の間に晋也が入る。 晋也は威嚇するように、優を鋭く睨んだ。 「晋也。」 いつもとは違い、困ったように微笑みながら晋也の腕を押さえた。 「しかし、社長。」 「ちょっといいですか、吉村様。」 晋也が何か言おうとしたが、空気を読めない番組プロデューサーが話しかけてきた。 「はいはい。 行くわよ、晋也。」 「……はい。」 晋也は全然納得していないようだったが、大人しく京子の後に付き従った。 「じゃあね、優。」 ヒラヒラと片手を振りながら歩いていく京子。 その姿を、優は暫くじっと見つめていた。 なんだったんだ?  
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