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「ふわあぁぁぁぁ。」
登校したての俺こと、橘龍夜(タチバナ リュウヤ)は、まだまだ目が覚めてなくて、出来得る限り口をでっかく開けた。
教室の窓際、一番後ろというベストポジションは、麗らかな日差しが心地良い。
それがイイ感じに眠気を誘ってくれんだよなぁ。
そろそろ遅刻リミットが迫る教室では、殆どの生徒が既に他愛もない会話を楽しんでいる。
「朝っぱらから気ぃ抜けるような欠伸すんなよな。」
「俺だってしたくてしてるわけじゃねぇよ。」
「なにぃ!? オタクのくせに生意気だぞ、龍夜!!」
「朝から不毛な会話はやめようぜ、隆司(タカシ)。
俺はオタクじゃねぇよ。」
俺の前の席。
椅子に行儀悪く座りながら話しかけてくる爽やか君。
朝から元気が有り余っているこいつは、佐藤隆司(サトウ タカシ)。
俺と同じ高校1年生。
明るい茶髪のツンツン頭が元気印。学校一のスポーツイケメンだ。噂によると、ファンクラブまであるらしい。
ご苦労なこった。
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