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ヒクッ
「‥‥‥‥」
木片が飛び散り、その床にはハンマーの半分が埋まった状態にあった
オレは顔を引きつらせ、硬直しながら目を見開いてズルズルとドア伝いに崩れる
誰が軽々だって?
(ハ…ハハ……鼻、擦った‥‥‥)
咄嗟に逃げ様もないその僅かなドアと自分の距離を、それこそ一心同体とならんばかりに体を押しつけて、間一髪彼女からの攻撃を避けた自分に賞賛を送りたい
オレが座り込んだ股の間の破壊された床とそこに埋まるハンマー、その状態だけで攻撃の威力を物語るには充分だった
これが直撃していたら‥‥‥
そう思うとゾッとした
このハンマーも並みの重量でないのは一目瞭然(これだけ食い込んでるんだから当然だ)。それを片手で振り回すこの美女は……
こんな恐怖心に襲われているオレに、この女
「あら、避けてはいけません。ご主人様」
キョトンとした様子で、さも当たり前のようにオレに言ったのだ
思わずカッとなる
「さけっ… こっ、殺す気か?!」
叫んだオレに、メイドはコロコロそれこそ愛らしく微笑む
「イヤですわ、ご冗談を。ちょっと頭にショックを与える程度……ご主人様ならば、このくらい平気でしょう?」
どんな根拠だ!死ぬっつーの!!
意味不なメイドは更に追い打ちを掛ける
「コレで思い出すはずです。さぁ、今度は避けないで下さいませっ!!ご主人様♪」
再び振り上げられるハンマーにまたもやオレは絶叫した
「ギャアアァァァッ!
どこがちょっとジャーッッ!!死ぬ死ぬ死ぬーッ!」
グワッシャッ !!
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