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湯舟に浸かり間もなくしてインターホンを連呼する音がした。
あきらかに尋常ではないくらいの呼び出しに雪弥はお客さんが来てしまったのだ、と気付くがそれにしても怪しいくらいに鳴っている。
「何だろう……?」
雪弥はやはりのんびりしているのもあれなので髪を急いで洗う。
さっき蓮から薫った匂いがした。
服も他人に見られて支障のないように派手ではなく控え目な物だ。
これも蓮が選んでくれた高めの服である。
「何コレ?!」
「何も、これも、見たまんまですよ……」
「んっまーいっ! 長谷川クビな」
「えっ!? そんなぁ……」
まるで何かのコントを聞いているようだった。
お客さんは声から判別するに女性1名、男性1名のようだ。
「あの……、こんな姿ですみません」
雪弥は髪を濡らしたままで三人の前へ現れた。
同時にその視線が向けられて雪弥は少し臆した。
「うわぁっ! 超若いじゃんっ! 幾つ、幾つ?! 高校生なのに色っぽいしっ! かっわいーっ! 何、何? 蓮に襲われちゃった訳? やだよねー、この男。爽やかな顔してさ、ロリコンだぜ? 世も末だなぁ……」
雪弥はいきなり肩を掴んで人を観察する女性にびっくりして目を見開いた。
どうしたら良いのか、と蓮を見るとその手から解放させてくれた。
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