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「ご飯食べる? それともお風呂に入る?」
「……お風呂にします」
蓮はぶつぶつ言いながら浴室へ向かった。あれこれ、なにそれ、聞き取れはしない。
雪弥はとりあえず、蓮がそう言ったので客用の料理を作る事にした。
カレーだけではおもてなしとして不十分だろう。
蓮の客ならばきっとお酒を飲むに違いない。ならば、おつまみを作るのが賢いだろうか?
雪弥は冷蔵庫の中身と相談を重ねた。
「どーしよっかなぁ……」
蓮はカレーも好きらしいが唐揚げも好きだ。蛸の唐揚げなどは雪弥も好きである。
いやいや、それは身体には悪すぎから焼豚を切ってサラダに乗せるのは……。美味しいけれど、少し不十分な気がする。
ならば、卵スープは……もやはおつまみの域を脱してしまった……。
仕方ないので原点に戻って蛸の唐揚げを作る事にした。ついでに、揚げ物シリーズで鶏の唐揚げとポテトとコロッケをプラスしてみた。
何人来るのか分からなかったのでとりあえず沢山。
「んー……、良い匂いですね。これだけ作ってくれると有り難いです」
烏の行水並に早い入浴を終えた蓮は髪から水滴を落としながら台所を覗く。
常日頃からお風呂上がりの蓮の色気に雪弥はドキドキしていた。スーツの時よりも若くて、水に充てられた蓮はかなり雪弥の好みである。
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