11.禁断のキスにて

5/19
23476人が本棚に入れています
本棚に追加
/393ページ
「作り過ぎかと思ったけど大丈夫かな?」 「大丈夫ですよ。あいつは牛並の食欲の持ち主ですから」  蓮は鶏の唐揚げを一つつまみ食いした。  客が来る割にはTシャツとジーンズと言うラフな出で立ちである。 「ねぇ、お客さんって会社の人?」  雪弥は料理が終了したのでエプロンを外す。後ろで縛っていた部分は蓮が外してくれた。 「そうですよ。部下……ですかね、一応」  疑問の残るような言い方に不完全燃焼だが蓮はわざと濁した。無理に聞く必要は無いだろう。  雪弥はふーん、と言ってお風呂に入る事を決めた。 「すぐに上がるけどお腹空いてるなら先に食べてて良いからね。福神漬けも冷蔵庫に入ってるから」 「分かりました。でも、待ってます」  蓮は必ず自分と食事を取りたがる。どうしてかは分からないけれど絶対に待っていてくれるのだ。  雪弥はそんな蓮の為にも服を抱えて急いで浴室へと向かった。
/393ページ

最初のコメントを投稿しよう!