11.禁断のキスにて

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「触らないで下さい。馬鹿が移ったら責任取れるんですか?」 「ちょっ、何て事を……」  蓮があまりにも真顔で彼女に似つかわしくない事を言う物だから雪弥は普通に驚いてしまった。 「移るか、阿保。第一にあたしは天才だから」  なんて事……。彼女は相当な自信家らしい。 「礼美ちゃん……」 「だからっ! あたしをそう呼ぶな、と言ってるだろう、長谷川……? 次はベランダから突き落とすぜ?」  とても男勝りな礼美に雪弥は目をパチクリ。  キャリアウーマンの鏡のような女性だ。 「口が悪い……。全く、雪弥の教育によろしくないでしょう?」  どうあっても蓮は礼美の意見を肯定する気はないようだ。  仲が良いのか悪いのか良く分からない上司と部下である。
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