11.禁断のキスにて

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「あー、紹介が遅れましたね。馬鹿な礼美と優秀な長谷川君です」  紹介の仕方に天と地ほどの差を感じた。  何故、女性の方ばかりを馬鹿にするのか不思議で堪らない。 「馬鹿では無いが長谷川 礼美だ。よろしく」 「優秀ではないっすが、長谷川 陸です。はじめましてっすね」  男の人の笑顔はキラキラしていて和み系だった。礼美の態度は相変わらずデカかったけれど良い人なのだろう。 「雪弥です。えっと……蓮さんの妻です……」  そう言うと蓮はカッ、と顔を赤らめ、そんな蓮に同調して雪弥も赤面した。  礼美が大変面白くなさそうな目をした。 「なんかムカつく……。この初々しさが……」 「新婚にあるべき姿だと思うっすよ? 俺らも寧ろこのくらいの照れ具合が欲しいっすね」 「あたしに顔を赤らめて『陸の妻です』って言えと?」 「言って下さい。見てみたいっす」 「ぜってー言わねー。あたしがそんな女に見えるか?」 「はい」 「手術してこい。つか、お前と結婚してやっただけでも有り難く思えよ?」  礼美は顔は冷めていたが耳が赤く染まっているのを雪弥は見ていた。雪弥の耳も自然と熱くなった。
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