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「お二人は夫婦なんですね」
「そう、残念ながら夫婦だ」
「ひっどっ! 礼美は容赦無いっすね……」
陸はそう言いつつもにこにこしていて何だか違和感があった。
礼美は耳だけ赤くて、しかし、口から出て来る言葉は憎まれ口ばかりだった。
「全く……。礼美は終始こんな感じです。長谷川君は良い奴ですから仲良くして下さい。ちなみに二人も新婚で礼美は雪弥と同じ18ですよ。気が……合うのは嬉しくないですけど、家も隣なので僕が家に居なくて本当に何か緊急な事態が起きた場合のみ頼って下さい。今日のお客はこの二人だけですから肩の力は抜きましょうね?」
蓮は熱くほてる顔を雪弥に向けて微笑んだ。
反則の笑顔にまた雪弥の心音は大きくなった。
肩に触れる手がじんわりと雪弥に溶け込んで蓮の匂いと自分の匂いの区別が付かなくなる。
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