11.禁断のキスにて

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「つか、俺らだって滅多にキスとかしないじゃないっすか……」  陸は複雑そうな、とても残念そうな表情をしていた。 「それは、長谷川が超が付くほど奥手だからだろ? それに、仕事が恋人な男だからね、あんたは」  鼻を鳴らして子供みたいに拗ねたような顔をする礼美は可愛らしかった。  あたふたする陸の方が遥かに年上なのに上下が目に見えるほどに逆転している。    年の差など全く関係ないほどに礼美は強気だ。 「ごめんっす……」  四方八方塞がりで最終的に小さく謝る陸を礼美は横目で見遣った。 「ふんっ……。まぁ……、本気で死ぬほど嫌いなら……あたしはあんたみたいな男なんかと結婚しないけどな」  何だか礼美を見ていると激しく“ツンデレ”の意味が理解出来てしまった雪弥と蓮。  常にツンツンしている礼美がたまに垣間見せるデレが堪らなくそそるのだ。  陸がハマったポイントは間違いなくそこにある。  
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