11.禁断のキスにて

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「そうゆう素直な所だけは可愛いですよねぇ……」  蓮は懐かしみより慈しみを込めた目で礼美を見た。  そして“可愛い”と言う言葉に少しだけイラッ、としたのも事実だ。  嫉妬……?  加えて、そんな礼美を愛して病まない陸が力強く引き寄せてキスする姿に蓮が何とも言えない顔をしたのにズキッ、と痛む胸の奥。  どうしてそんな顔をするの、と聞きたくなった。 「雪弥は見たらいけません」  蓮は事態から無理矢理反らすような仕種と顔でそっと雪弥の目を覆った。  しばらく暗い中で蓮の顔が離れなかった……。  視界が明るくなると礼美はより女の子らしい瞳を潤ませていた。  女の子は恋をすると綺麗になる、と誰かが言っていたけど、きっとそれは本当だろう。  すごく、可愛いすぎて―――これ以上、蓮の瞳に映らないで……  
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