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布団に雫が落ちてぼんやりとした模様を描く。
蓮が掛けてくれたに間違いない。
「優しさは私にだけに頂戴……? 他の人にあげたらやだぁ……」
分かってる。こんな事を言ったら蓮だって呆れるだろう。
でも、言わずにはいられなかった。
口移しでも何でも、他の人にそうゆう行為をするのは嫌。悪気がなくても嫌。
自分だけを見て欲しい。
「雪弥……」
自分が怒っているのに蓮の顔はどこと無く緩んでいる。
人を馬鹿にしてるのか?
「ニヤニヤしないでっ! ほ、本気で言ってるんだからっ!」
恥ずかしい台詞に今更ながら血が沸騰してるんではないか、と思うくらいに体が火照る。
勢いの副作用はかなり自分に不利だった。
「……可愛い」
むくれた顔を見て蓮はポツリ、とそう漏らした。
と、同時に右手で顔を押さえる。
「ば、馬鹿にしてるのっ?!」
「違いますっ! あー……もう……」
何か壁に当たったらしく蓮は耳も、顔も、指先までの全身に紅葉を散らした。
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