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全く似ていない兄妹って本当に居るのだ。
顔も、性格も共通点を見出だせないほどに蓮と礼美は異なる所ばかりだ。
「き、聞いてない……」
「あれ……、言ってませんでしたっけ?」
「い、言ってない……」
「じゃぁ、改めて紹介します。長谷川君の奥さんで僕の妹です。社長令嬢……ですね、一応」
そんな紹介なんて要らない……。
これはかなり自分が間抜け過ぎる……。穴があったら入りたいっ。
「テメーを兄と思った事は無いわっ」
すると礼美は陸に軽く小突かれる。
「あんまり、困らせたら駄目っすよ」
何故だか分からないけれど雪弥は耳が熱くなった。
耳だけでなく頬も熱を持ち、心臓が早く打った。
「こ、子供扱いするなっ!」
「子供っすよ。俺には最高の女性ですけどね」
まるで、礼美の熱が伝わるかのようにどんどん雪弥の体が熱くなる。
しかも、いつかに蓮とやり取りしたような会話、まさしくデジャブ。
「雪弥っ?!」
ヒートした頭は軽くショートして雪弥はソファーに倒れた。
色々とありすぎて流石に何もかもがもたない。
せっかく、キスが出来そうだったのにそれは先送りになってしまった。
キスも、長い夜も無い生活はまだまだ続くようだ。
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