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「初音、座ってくれます?」
蓮はなかなか席に腰を落としてくれない初音に声を掛ける。初音はちらっと雪弥に目くばせした。
視線を汲み取った白兎は初音に再度座るように願い出る。
「大丈夫。問題無い」
それでも動きたがらない初音に蓮は雪弥に自分の隣へ席を移動してくれ、と頼んできた。
よく意味は理解出来ないがとりあえず蓮の隣へ体を移す。
すると、初音は雪弥の使っていた椅子を白兎に近付けるだけ近付けてやっと座る。初音はしっかりと白兎の腕に絡みついた。
「だぁれ? 貴女は」
桃色の唇が雪弥に向けて言葉を出した。雪弥が蓮を見ると蓮は頷く。
「厳島 雪弥です……」
名前を聞くと初音はにこっ、と笑いを浮かべた。えくぼがキュートな笑顔。
皆を幸せにするくらいのパワーが秘められていた。
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