4.ショッピングモールにて

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「……ごめんなさいっ。“奥さん”とか言われるの嫌だよねっ? まだ、早いし……本当に考えなしの発言ですみませんっ」  一人で慌てる蓮が……失礼ながら可愛くて口元が緩む。  嫌だったら、こんなところで一緒に買い物なんてしていない。 「そう言ってくれて……私は嬉しいよ? ベッド見に行こうか?」  腕を取れば蓮が固まるのが判った。 「あの……」 「良いの。だって“夫婦”だから」  店員の困惑した表情の処理なんて二の次。  大事なのは蓮が“好き”だという気持ちだ。 「あっ! 夫婦で使われるんでしたら、こちらのダブルベッドはどうでしょうか?」 『だ、だ、ダブルベッドっ?!』  これは予想外のオススメをされてしまった。そんなものは希望していない。 「夜はゆったり会話をしながら語り明かすのも良し、広々した空間の使い方は多種多様ですわ」 「いえっ……。それはちょっと……」  これでも今日初対面で初夜から同じ空間を共有するのは―――嫌なのかな……?  少なくとも蓮は自分に好意を抱いていてくれて、自分を闇から救ってくれた。 「ねぇ…………蓮さんが嫌じゃないなら、これにしない?」  店員イチ押しの少し値段の高めなベッド。  雪弥は良いかな……っと思って蓮を見た。
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