4.ショッピングモールにて

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「……そんな目で見ないで下さいっ……。僕は……」  その場にしゃがみ込む蓮は蒸気が噴き出しそうなほどに照れていて見てるほうが数倍も恥ずかしかった。 「正直、嬉しいです……」 「そ、それならこれで良い?」 「はい……」  そんなこんなでまずはダブルベッドを蓮はカード払いした。  覗いたつもりは無く見えてしまった蓮の財布はブランド物のようだ。難しいロゴが入っている。  お札もかなり詰まっているようで分厚い。  蓮は普通の会社員ではないのだろうか?  何万円もする物を一括払いする人をただの真面目なサラリーマンで済ませられるほど雪弥は素直には育てられていない。  金銭感覚を少しどころかかなり疑う。 「ねぇ、蓮さんの仕事って何?」  ぎくしゃくしながら腕組をして歩くさなかに何気なく聞いてみる。 「あれ……? 言ってませんでしたっけ……?」  
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