5.ダブルベッドの中にて

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 人と対面して食事を食べるのは心のケアにも良いらしい。別に病んでいる訳ではないが、心持ちは若干変わる。 「美味しいです……」  その言葉に雪弥の笑顔が綻べば胸の辺りに温かいものが生まれた。  会話は自己紹介をし直したり、第一印象を面と向かって言ったり、ありきたりな物なのに―――雪弥の可愛らしさが加わるだけで随分と色付いた。  きっと、他の誰でもない―――彼女だからこそ、世界が変わる……。  その華のように可憐な笑顔を、自分だけが知り、自分だけが引き出せ、そして……自分だけが守る事の出来る存在になりたい……。  雪弥に関しての妥協など他の誰が許しても自分だけは絶対に許さないだろう。  何故、そこまで“雪弥という存在”に惹かれているのか自分でも不思議なくらいだ。  可愛くて、柔らかくて、どうしようもないくらいに好きなんだ……自分は……。  一目惚れの衝動に駆られて、取り乱しもしたけれど、今ここに居てくれて何よりも嬉しい……。  
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