7.定期考察会にて

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「蓮の言う事が間違ってるとは思わねぇ。なぁ、長谷川?」  一口ティラミスの発案者に向かって礼美は問い掛ける。 「わ、かってる。何だか感動したんだ、蓮さんに……」  しくしく泣く長谷川に雅治はギョッとしていた。  大男が袖を濡らして感動するのを初めて見たのだろう。 「相変わらず、感激屋だなぁ……。これしきで泣くのはあんたぐらいだ」 「だって……、カッコイイ! 俺は幸せなんっすよ、蓮さんの部下になれて! あんなに遠くに居た人が、期待してくれてるなんて勿体ない!」  自分をリスペクトし過ぎている長谷川は良い奴なのだ。  自分に厳しく他人には馬鹿が付くほど優しくて騙され易いが、めげない男。少々、感激屋でもある。  ちなみに、苗字を見れば分かるが長谷川こと長谷川 陸(はせがわ りく)は礼美の旦那さんでもあり、この二人は性別を取り違えたのでは、と思うほど対称的な性格をしている。
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