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「お寿司、何処のお店にします?」
「春風(はるかぜ)」
「ああ……真琴の。でも、あそこ料亭ですから、出してくれるかどうか……」
蓮の大学の後輩が経営している料亭春風。
接待などにもってこいの純和風な高級店だ。
「あっ、まこっちゃん? お寿司食いたいんだけど今から大丈夫?」
気が付けば礼美は真琴に電話していた。行動力だけは素早い。
「本当?! 行く、行く! 10分もしたら着くから、はいはい、後でな」
どうやら真琴は承諾したらしい。礼美は愉快そうに笑う。
「良いらしいよ」
「みたいですねぇ。別に良いですけど」
それくらいで破産などしない。いちいちお昼ごときでお金を失っていたら生活していけないだろう。
礼美だって社長令嬢なのだからお金には困っていないはずだ。
「その余裕が更にムカつく!」
「そうですか。こうゆう性格なんですよ、僕は」
「親の買ったマンションに住んでるくせにっ!」
「礼美に言われたくありません」
「何故?!」
「…………僕のお隣りじゃないですか……」
「…………まぁ、な」
礼美の住まいは蓮のお隣り。値段は蓮の部屋と同じだから相当高い。
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