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因みにだが、礼美はまだ18歳である。忘れていたが雪弥と同い年だ。
長谷川は23歳であるから、普通に大学を卒業して就職して今に至るという王道人生を歩んでいる。
礼美は常識無視の自由形コースで学歴は中学卒業まで。
16歳から1ヶ月1部署で成績を上げる荒業を成し遂げ、今は蓮の秘書に近い仕事をしている。
礼美と長谷川は出会って3年目の春、つまり2ヶ月ばかり前に結婚したばかりの新婚だ。
「そもそも、何故、僕の隣に住む事になったのか……」
春風までは会社から徒歩10分。車を出さずとも行ける距離だ。
「なんとなーく、だ。何処でも好きな所に家くれるって父様が言ったから、じゃぁ、蓮の近くにしよう、と。それだけ」
「何となく……ね。良い迷惑ですよ」
静かな生活に突如乱入してきた礼美には少なからず迷惑を被っている。
「すみませんっす、蓮さん……。俺ら、迷惑っすよね……」
蓮と礼美の中間に居て板挟みの長谷川はあわあわしている。
不憫だ、長谷川……。
「迷惑って言いますか……、他にもマンションって沢山あるのになぁ、と思いまして」
「ああ……、でも、社長がプレゼントをくれるっておっしゃった時、礼美ちゃ……は真っ先に蓮さんの近くが良いって……ねぇ?」
……礼美は何となく選んだ、とか言っていたのに、どこと無く長谷川の話と噛み合わない。
「まさか……礼美……ストーカーじゃぁ……」
「っちげーよ、馬鹿! 死ねっ!」
とんでもなく心を傷付ける罵声を浴びた……。
「もしかして……心配してくれたんですか、僕の私生活を……」
自分が家事を全く出来ないのを一番知っているのは恐らく礼美だ。
だから、わざわざ隣に来たのだろうか……?
横に居る礼美の顔の赤みはその問いの“正解”を見事に示していた。
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