7.定期考察会にて

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「そんなに心配してくれても……礼美の手料理は殺人兵器ですから遠慮させて下さい」  人には向き不向きがある。それが礼美には極端に現れていた。  礼美に経営を任せると素晴らしい成績を残してくれる。  事務を任せると誰よりも正確で見易く、分かりやすくデータをまとめてくれる。  ところが、そうゆう計算は出来ても料理の分量計算はどうゆう訳が出来ない。  蓮は礼美の手料理を食べた後、救急車で病院に搬送され1週間は下痢と嘔吐を繰り返した。  おかげで体重が7キロ落ちる異常事態に陥ったのは言うまでもない。 「そうっすか? 俺は手料理食べても全然平気っすけど……」  やはり長谷川は強者(つわもの)なのか、はたまた鈍感なのか……。  おそらく後者の確率99.9パーセント以上だ。 「あれしきで倒れる蓮が弱い」 「……あれで生きているのが不思議な位です」  ただのカレーライスで死の淵を見るなど極めて珍しいケースだ。  あのカレーライスにはカレーライスに相応しくない具材が隙間からこんにちは、していた。  思い出すのも憚られるメンバーだったのを鮮明に覚えいる。  まさに、それくらいの衝撃だったのだ。
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